鳩山さん、沖縄のこと教えてください。【鳩山友紀夫・田中將介】

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知事選に出ろって?(笑)沖縄県民がそういう発想になったら非常にありがたいし、嬉しいですよ。もしそれで、沖縄の人が1つになるのであればありがたいですし、考えないわけではないですが、極めて考えにくい話です(笑)-第三章より-

 

まえがき
沖縄の問題に詳しくて、1番日本人が知っている人って誰だろう。と考えたときに、はじめに思いついたのが、鳩山友紀夫さんでした。話を聞きたい!その想いは暴走し、朝食会でご一緒させていただいたときに、思い切って話しかけました。快くOKしてくださり、心臓がばくばくしながらその場を後にしました。一国の元総理大臣に話を聞くということで、入念に準備をしました。あとがきで詳しく書きますが、今回の記事はとにかくわかりやすいものにするために、恥ずかしがらずわからないことはわからないと正直に聞こうと思い、全力でぶつかりました。インタビューのあと、非常に清々しいすっきりとした気持ちでした。こんな私にでもわかるお話をぜひ皆さんにも読んでいただきたいと思います。もちろんこの内容が正解というわけではありません。1つの考え方として、お楽しみいただければ幸いです。

 

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第一回鳩山極秘文書事件の解明はされたんですか?

第二回:日米安保で飯を食うってどういうことですか?

最終回:鳩山さん、沖縄県知事に立候補されるんですか?

 

 

 

 

■第一回:鳩山極秘文書事件の解明はされたんですか?

 

 

田中:今日はよろしくお願いします。大人たちがインターネット上で沖縄基地問題について議論しているのを見ると、もはや言論のぶつかりあいというか、けなしあいのようで、私は正直、嫌気がさしてしまいます。これからを担う若い人たちが、「基地の話は触れないほうがいい」といった、タブーなテーマであると思い込んでいる風潮があります。「政治に詳しくても詳しくなくても、皆で話していいんだ。対話しながら考えていけばいいんだ」ということに気付くことのできる内容できればと思っています。私自身、分からないことがいっぱいあります。大人のジャーナリストならとても聞かないような、「なんでそんなこと聴くの?」と思われることまで鳩山さんに聞いてしまおうと思います。どうぞよろしくお願いします。鳩山さんに関する著書や記事はくまなく読んできました。(笑)

 

鳩山:こちらこそよろしくお願いします。私以上に私のこと詳しいかもしれないね(笑)

 

田中:そうかもしれません。(笑)早速なんですが、鳩山さんはなぜ内閣総理大臣を辞めたのでしょうか。特に若い人は知りません。私もその頃高校生でしたから、当時のことは全く覚えていません。(笑)私が深く知るきっかけとなったのは、ある文書が昨年話題になったからなんですね。これについては触れてはいけないものだという社会の空気を感じるのですが、だいぶ解明されてきたのですか?

 

 

 

鳩山氏が総理大臣をやめるきっかけとなった一通の文書は、外務省が鳩山氏の構想を砕くための捏造だった可能性があるのだ。

(詳しくはこちらの記事を御覧ください)

「最低でも県外」を翻させた外務省の「極秘文書」の存在に「虚偽」疑惑!官僚が総理をワナにはめた!? 岩上安身が鳩山由紀夫・元総理にインタビュー!真相に迫る!

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/287473 ※1

 

 

鳩山:まだぜんぜん解明されていません。

簡単に経緯を説明しますと、私は外務省の官僚から渡されたその文書を見て、辺野古に戻すしか選択肢がないと公約に掲げていた「米軍基地県外移設」を断念しました。。

 

田中:当時、誰が文書を持ってきたのかはまだ分かっていないのですか?

 

鳩山:高見沢さんと船越さんがいたことは確実に覚えています。

 

高見沢将林(たかみざわのぶしげ)現 軍縮会議代表部大使

船越健裕(ふなこしたけひろ)現 官房総務課長兼「改革推進本部」事務局長

 

高見沢氏、そして元外務官僚、斎木昭隆氏の2名は鳩山政権への不満をキャンベル元米国務次官補にこのように伝えたと、内部告発サイト「ウィキリークス」が入手した米外交公電を米紙ニューヨーク・タイムズが報じた。

 

高見沢氏:(民主党の要求に)早期に柔軟さを見せるべきではない

斎木氏:(民主党の考えは)馬鹿げたもので、学ぶことになるだろう。

 

詳しくはこちら

朝日の記事はOK?不信の官僚、「米は過度に妥協するな」〈米公電分析〉

http://www.asahi.com/special/wikileaks/TKY201105030296.html ※2

 

 

鳩山:この問題は今話題の森友学園の話や、南スーダンの日報破棄問題の話とも一緒ですよ。官僚は都合の悪い話になると、「資料は全部捨てた!」と言ったり「確認できない!」と言ったりするわけです。

 

田中:それで許されるんですか、この社会は。(笑)

 

鳩山:許されるわけないんですよ。(笑)

そもそも官僚は、自分たちだけで世界を完結して国を導いてきました。政治家や国民には最小限の情報しか与えず、自分たちで上手くやっていこうという発想が根本にあるわけです。森友学園の話もそうで、本当は、実存する情報でさえなかったと言い張ります。それにしても私の文書に関してはもっとひどい話です。外務省の方が、実物の文書を見て、「これは外務書のペーパーだ」と言っています。

しかしそういった記録があることに関しては、「確認できない」という言い方をします。

許しがたいことです。

 

田中:それはどういうことですか?

 

鳩山:つまり「外務省のものではない」とは言い切らないんです。自分のものではないとは言わず、確認できないからわからないと言って逃げるわけです。

 

田中:なるほど。文書に嘘が書いてあったら出すわけにもいかないもんですね。

 

鳩山:そうです、嘘が書いていなければ、出せばいい話ですから。シンプルな話です。その件に関しては川内くん(元衆議院議員http://www.kawauchi-hiroshi.net/)が調査を頑張ってくれています。

 

田中:この問題が発覚して1年が経ちました。しかし、世論はもうこのことがなかったことかのような扱いですよね。この先に解決の光はあるのでしょうか。法的措置も考えられると川内さんはおっしゃっていましたが。

 

鳩山:法的な措置もだめですね。裁判所というのは国に有利な判断しかしませんから。国と地方が戦えば、圧倒的に権力をもった国が強いです。日本では三権分立が成り立っていないんです。本来なら憲法をもとに裁判で捌いてもらいたいのですが、国民に向いた結論にならないだろうと考えると、そこで必ず問題解決されるとは思えません。下された判断だって信頼ができるはずもありません。

 

田中:それは辺野古だけでなく、全ての問題に当てはまることですよね。私の周りには官僚になりたい人と言っている人がいます。けれど、捏造の疑惑をもたれるような、権力を良くない方向に使っているのを見ると、格好悪いな、そんな大人になるくらいなら」と他の職に就くことを検討する人も増えてきている感覚があります。実際、ジャーナリストになりたい私も、マスメディアの人たちも含め、ジャーナリストといわれる人たちが、現場で取材場所を陣取るために怒鳴りあいの大喧嘩をしていた姿を見て、なんだか残念に思いました・・・。また、そういった人たちがインターネット上で標的にされ、ものすごい批判を浴びているのを見ると、正直こわいし、もはやジャーナリストと名乗る必要性がないのではないかと思ってしまいます。

 

鳩山:おっしゃる通りですね。それでも私は田中さんに本当のジャーナリストになってもらいたい。今あなたは同業者のなかで1番お若いでしょう?

既存のメディアは国家権力におもねっていますよね。裏を返せば、安倍政権が上手くメディアを利用しているとも言えます。政権に対して反発すると、何を仕返しされるかわからない。彼らは情報が得られなくなったら仕事になりませんから。

けれど私は権力と戦うのがジャーナリズムの役割だと思っています。ですから真のジャーナリズムを育てたいと思って、私の首相期間には記者会見をオープンにしました。

でも、あれが失敗したんだよね。メディアの皆様の逆鱗に触れました。おかげさまで、鳩山という名前が出た途端、すぐに批判的なことを書いてくださっています(笑)

 

田中:そうなんですね(笑)注目されるのはいいことじゃないですか(笑)

 

鳩山:どうなんでしょう(笑)しかし、もっと実力をつけてからやればよかったなと思っています。またそれが今のメディアの体質にもつながっているので、残念に思う部分はあります。

私としては、若い人には今の世の中を自分の目で見て、自分の頭で考える訓練をしてもらいたいんです。そういう意味で、真のジャーナリストが多く育つといいですね。

 

田中:自分の目で見て、自分の頭で考えることは、ジャーナリストだけでなく、職種問わずあらゆる人に共通して大切なことですよね。

話を戻しますが、極秘文書が出てから鳩山さんのほうから具体的に働きかけたことはあるんですか?

 

鳩山:そうですね、防衛省の中心的な人物だった現防衛事務次官である黒江(哲郎)さんを呼んで話を伺いました。文書をお見せしたら、「これは外務省ですね」とお答えはいただきましたが、やはり警戒をされました。国会の中でこの問題を持ち出されたらたまらないと。非常に慎重に言葉を選ばれていましたでしたね。

 

田中:当時の防衛大臣の北澤(俊美)さんも、「周りには言わないでくれと文書を渡された役人から言われた」とおっしゃっていましたね。※3

 

 

鳩山:はい、北澤さんに関しては、1つこんな話があります。元防衛省トップのある人物が、県外移設について「こんないい案がありますよ鳩山さん」と素晴らしいアイディアをくださった。その案はいいと思いまして、ゲーツ元国防長官と日米防衛首脳会議に望む当時の防衛大臣だった北澤さんに「この話をしてくれ」と伝えたんです。

 

田中:2009年の話ですね。

 

鳩山:そうです。私の要望を聞いた北澤さんはわかったと確かに了承したのですが、結局会議でその話が出ることはありませんでした。さらに北澤さんには「私はその話聞いていませんよ」と言われてしまった。(苦笑する鳩山さん・・・)

北澤さんがその話をなかったことにしたのか、防衛省の中でなかったことにしたのか、真相はわかりませんが。

 

田中:そしてこの案については、現在まで誰にも触れられていないということですね。

 

 

鳩山:そうですね。(笑)元防衛省のトップからの話だったのでいけると思いましたが・・・。その方があいにく海上自衛隊ではなく陸上自衛隊だったというのもうまくことが運ばなかった理由の1つにあると思います。

 

 

 

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田中:極秘文書の問題はこのまま解決せず闇に葬られるのですかね。

 

鳩山:(日本総合研究所理事長で多摩大学学長の)寺島実郎さんが「これは大変な事件だ」とおっしゃっていたように、大きな問題として捉えてくれる方もいます。

しかし、メディアは一切無視でしょ?

この問題自体タブーになっています。先ほども申し上げましたが、問題を取り上げたことで外務省から情報が入らなくなったらメディアにとってはたまらないですから。

 

田中:この仕組みがいわゆる官報複合体と言われているものなんですかね。

当たり前ではないのに、当たり前であるかのようですね。

 

鳩山:実際、この件について、昨年(2016年)テレビ朝日から取材を受けていますがその映像はなんと放映されなかったんです。番組は「報道ステーション」だったと思います。話を聞きにきたディレクターさんも、私の話に「不思議な話ですねー」と理解してくださったのですが、残念です。

 

田中:私も沖縄タイムスで掲載できないと言われたらどうしましょう(笑)

 

鳩山:沖縄タイムスと琉球新報は大丈夫でしょう(笑)ウェルカムな会社です。

今この問題を解決できない原因としては、私が公職についていないというが大きいですね。私自身が現在、国会議員であれば直接国会で話ができるのですが。

 

 

 

取材、文:田中將介

写真:小野瑞希

編集:中森葉月

参考:※1 IWJ、2016.02.23 ※2 朝日新聞社、2011.05.04 ※3 東京MX[淳と隆の週刊リテラシー]2016.03.05

 

 

 

 

 

 

 

第二回:日米安保で飯を食うってどういうことですか?

 

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日米関係の本質

田中:改めてなんですが、「なぜ米軍基地は沖縄にあるのか」という根本的なことを教えて下さい。

日本政府は「抑止力」という言葉をよく使っていますよね、私はその言葉に違和感を感じます。なぜかというと、定義が曖昧で、いかようにも解釈ができると思っているからです。

また、アメリカは日本政府からお金を出してもらうことで財政的に助かっているという話もありますよね(思いやり予算)。アメリカが主体的にどうしても沖縄に基地を置きたい理由などないという声もあります。

 

 

鳩山: アメリカは、日本を守るというよりも、自分の国が世界の警察官であるためにアジア太平洋地域を支配したいんです。そのための軍事拠点として日本が重要だと捉えています。しかし、中国や北朝鮮を仮想敵国とした場合、沖縄ならば近すぎるわけです。

 

田中:沖縄と中国が「近い」というのは距離が近いということですよね、距離が近いと何が問題なんですか?

 

鳩山:ミサイルですね。ランドというアメリカの研究所が、米軍と中国の軍事力比較の研究をしています。中国と日本の尖閣諸島、また中国と台湾の問題などの延長で、米中が戦うことになった場合を想定した研究です。かつては圧倒的にアメリカ軍が有利だったんですが、今や中国のミサイル技術が格段に発達してきて、嘉手納にあるアメリカの基地を中国が破壊しようと思えばすぐにできてしまうんです。距離が近ければ命中度は高まりますよね。破壊されれば、嘉手納基地は数週間使えなくなり、その間アメリカは戦えなくなります。東シナ海や尖閣あたりは特に中国が有利で、アメリカが戦っても勝てないというレポートが出ています。以上の結果が示すように、米軍基地と中国の距離が近いと、アメリカにとっては不利なわけです。

 

田中:ではどうしてアメリカはまだ、そんな沖縄に基地を置いているんですか?

 

鳩山:アメリカは沖縄を最適な場所だと思っているわけではないですが、沖縄に基地を置いておけば日本政府がお金を出してくれるし、その他にもいろいろしてくれるからです。男女関係みたいなもんですね(笑)

「俺は出ていってもいいんだぜ(アメリカ)」「いかないでー(日本)」という感じです。「ご飯食べさせてあげるから行かないで(日本)」「じゃあしょうがない、いるか(アメリカ)」みたいな(笑)

 

田中:分かりやすいですね(笑)そういえば、鳩山ご夫妻は非常に仲が良いことで有名ですよね。(笑)

 

鳩山:料理がうまいってことは大事ですね(笑)

 

 

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田中:話をそらしてすみません。(笑)続きをお願いします。

 

鳩山:(笑)

はい、日本側は沖縄に米軍基地があることを「抑止力」と言っていますが、先ほど申し上げたような意味で、実際には距離が近すぎるわけです。もし嘉手納を叩かれたら基地が機能せずアメリカは戦えないわけですから、抑止力にはなりません。

それにも関わらず「抑止力」という言葉だけで、政府はさも米軍が沖縄にいることが正しいことであるかのように国民に見せているということなんですね。私も総理大臣を離れたあと、全体の構図がよく見えるようになって、この問題の現実的な姿が理解できてきました。

 

田中:鳩山さんは総理大臣だったときに「既得権益と戦う」とおっしゃっていました。“日米安保で飯を食う“って具体的にどういうことなんですか?どこでどのように利権が発生しているんですか?

 

鳩山:日本政府が、辺野古に基地を移設するためには相当なお金がかかります。国のお金ですから、そこには利権が発生しています。この動きを擁護している官僚たちと国はお互い手を組んでいるので、そこには利権が発生している可能性は高いと思います。具体的にどこまで発生しているかわかりませんが。

 

田中:アメリカ側にも利権はあるんですか?

 

鳩山:ジャパンハンドラーと言われている、リチャード・アーミテージさんやマイケル・グリーンさん、ジョセフ・ナイさんといった方たちに、なんらかのメリットが発生している可能性はあります。現に彼らが属している財団には、日本政府が研究費としてお金を出していますから。

 

田中:どうしてアメリカの財団を日本が支援するんですか?

 

鳩山:辺野古唯一、そして日米安保は必要なんだという、沖縄米軍基地問題に関して日本政府が国民を説得するのに使いたい理論的な枠組みを、日本側から言うのではなく、アメリカ側から言わせるためですね。アメリカが言っているから正しいでしょ。という構図をつくりたいわけです。

 

トランプ政権と安倍政権

 

田中:アメリカの大統領がトランプさんになって、変化はありそうですか?

ジャパンハンドラーを捕まえ交渉することが外交において必要だとおっしゃっていましたが。

 

 

鳩山:ジャパンハンドラーはもともと共和党に多いわけです。

しかし、その筆頭と言われる先ほどあげた人たちは、トランプさんを真っ向から否定し、ヒラリーさんを支持しました。なので、ジャパンハンドラーたちは、トランプ政権では重要なポストにはつけないのではないでしょうかね。

 

田中:ではトランプ政権において鍵を握るのはやはり国防長官のマティスさんになるんですかね?国防長官ってアメリカの外交を担当している人の中で1番偉い人ですよね?

 

鳩山:そうなりますね。マティスさんはジャパンハンドラーではないですが、元々海兵隊で沖縄にいた人で、外交の責任者です。しかし、この人ときちっと意見を交わすことは正直なかなか厳しいと思います。

 

田中:先月、日米防衛省会談がありましたが、そういうところで話せないんですか?

そもそも、会談の場って何をしているんですか?

 

 

鳩山:会談に関しては、大臣はただ、防衛省が準備したものをそのまましゃべっているだけですね(笑)

先日の会談で、マティスさんは辺野古のへの字すら言っていないのにも関わらず、稲田大臣はメディアに対して「1に辺野古、2に辺野古」と、「さも辺野古しかない!!!」かのように言っています。そして日本のメディアはその発言を、そのまま報じました。本当にインチキです。

 

田中:こちらが原文のURLです。僕も全文確認しましたが一切「Henoko」とは書いてありませんでした。

http://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2017/02/04.html

 

CNN

http://edition.cnn.com/2017/02/03/asia/us-defense-secretary-mattis-japan-visit/index.html(ビデオあり)

 

こういうことはありなんですか?今すごい虚無感に襲われています。もうどうしたらいいかわかりません。

 

 

鳩山:だからこそジャーナリズムが必要なんです。政府としては導きたい方向に発言するのは、当たり前の話なんです。ある程度は仕方がありません。しかしそこに正しいジャーナリズムがあれば、稲田大臣の発言に対して「そんなこと言ってないじゃないか」と異を唱えられるわけです。外務省、防衛省が言ったことをそのまま記事にするなんて、これはジャーナリズムの自殺行為です。自分たちの目で見て、頭で判断しないといけません。

 

田中:ジャーナリズムの質を上げるにはどうしたらいいんですかね?僕が言える立場ではないですが。へっぽこなんで(笑)

 

鳩山:いや、そのへっぽこ感が大事なのかもしれません(笑)

「おれは会社の中で出世して偉くなって給料をもらうぞ」という発想をしていると、会社の言うことを聞くしかありませんから、会社の方針と合わないことはできません。

逆に、「おれはへっぽこだ」と思っているとこわいものなんてありません。自ら現場で力を磨き、、非常に有用な仕事ができます。まあそれであなた自身の給料が上がることはないと思いますけど。(笑)

 

田中:確かに(笑)最低限の生活はしたいな・・・。(笑)褒められたのかわかりませんが嬉しいです!

 

 

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トランプ氏の仰天発言に「バンザイ」

 

田中:トランプさんは選挙期間中、米軍駐留のための経費負担を日本が増やさない場合、日本から米軍を撤退させると発言しましたよね。

 

鳩山:いやー、いいこと言ったねトランプさんーこれだなと思ったわけですよ。この時にトランプさんが大統領になったほうがいいぞと思いました。

ヒラリーさんは軍産複合体にのっかる大統領になる可能性が高いので、中東で戦争を起こして日本に協力を求めてきます。日本は安倍首相のもと集団的自衛権を発動すると、自衛隊の命が危なくなる可能性が高かったわけです。トランプさんはビジネスの視点から考えるので、外に軍隊を派遣するために高いお金を払い、さらに国内の産業がおかしくなっていることが嫌だと思っているので、軍を縮小させるのではないでしょうか。

 

田中:そうなると日本から基地を撤退させる可能性が高いと。

 

鳩山:そうです。そうするとアメリカ側から日米安保も見直してくれる可能性があるなと思っているわけです。なので、トランプさんには、「日本はアメリカにお金を払ってくれなきゃいけないぞ」とこれからも言ってもらいたい。そうすれば、「撤退して結構ですから自分の国は自分で守ります」と言えます。元々ポツダム宣言で、日本が十分な条件を備えたら米軍、連合軍は撤退すると決めていましたから。

 

田中:米軍が撤退しても日本は安全な国のままでいられるんですか?自国に軍隊もいないのに。

 

鳩山:もちろん、今すぐに全部とは言いません。徐々に米軍を撤退させながら、他国からの敵意を減らしていけばいいわけです。相手をやっつけようという意識を減らせばいいんです。北朝鮮だって日本をやっつけようと思っているわけではないです。しかし、アメリカと戦争になったとき、最初に狙うのは日本列島です。米軍基地がありますから。

アメリカとは距離が離れているためミサイルは到達しませんが、日本には十分届きます。核兵器の必要はありません。原発を狙えば一発ですから。3.11の教訓としては、原発施設を狙わせてはいけません。

 

田中:え、どうしたらいいんですか・・・。

 

鳩山:敵意を持たせないようにするのが外交の役割なんです。軍事力を強化したら、他国の敵意は増えますよね。シンプルな話です。

 

田中:自分の国を守るということは、自衛隊を使うってことですか?

 

鳩山:そうです、日本は自分の国を守る自衛力はもっています。増やす必要はありません。アジア各国から尊敬される日本になるための努力を怠ってはいけません。

 

田中:それがRCEP(東アジア地域包括的経済連携)などの経済連携によってそういった社会をつくっていこうという話につながってくるんですか?先月(2月)もRCEPの会合がありましたよね。

RCEPについて詳しく知りたい方はこちら

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j-eacepia/

 

 

鳩山:私はRCEPの前に日本と中国と韓国の間のFTA(自由貿易協定)を目指すべきだと思っております。それが最終目的ではありませんが、経済的な結びつきが強まると、国民同士の行き来が頻繁になり、お互いの理解や信頼関係が高まります。交流することがそれぞれの地域の発展に望ましいと思っています。戦争を起こさないための大事な発想です。

 

田中:なるほど。そのためにFTAやRCEPを結ぶことが大事なんですね。

 

鳩山:と、思いきや、それがそう簡単に判断してはいけないんです。実は私も最近RCEPに懸念事項があることに気が付きました。非常に大きな問題があります。

 

田中:お、なんでしょう、どきどきします。

 

鳩山:実はTPPと同じことをやろうとしているんです。TPPはアメリカのための協定で、ISD条項というものが非常に危なかった。アメリカのグローバル企業が日本を訴えることができる権限を持たせることになっていた。それをアジアの中で行うRCEPにISD条項を入れようとしているんです。

 

田中:え?どこがですか?

 

鳩山:日本です。つまり、TPPでできなかったことを、RCEPでやろうとしているんです。

 

田中:せこい!強者の前ではへこへこしておいて、弱者の前ではいばっている。

 

鳩山:自由貿易協定が、発展途上国を応援するものになればいいのですが、経済強者が自分たちの利益のために結ぼうとしている。経済的に貧しい国にとって、自由貿易を押し付けられると、逆にマイナスを被る可能性があります。

 

田中:うーん、なんとなくわかりましたが、まだわかりません。

弱いものから搾取する形であることは理解できたのですが、細かい部分がイメージできません。

 

鳩山:一つ例をあげますね、薬品業界には、ジェネリックといわれる安い薬品がありますよね。その薬品の特許期間を長くすることで、ジェネリック薬品を安く売らせない仕組みをつくろうとしています。

 

田中:どこがつくろうとしているんですか?

 

鳩山:日本です。

 

田中:えっ、またですか。

 

鳩山:薬品はインドで作っています。インドが最貧国に向けて安い薬を提供しているんですが、特許でしばると高い金を払わないと販売できないようになります。貧しい人たちに届かないと命に危険が及びますよね。

 

田中:途上国に住んでいた私からすると許しがたいことだ・・・。

 

鳩山:このように、中身を見ないでなんでもかんでも自由貿易ならいいぞと判断するのは危険です。TPPもですが、途上国と共存していくものでないといけません。

 

田中:全く知りませんでした。

 

鳩山:そりゃそうです。ほとんどメディアにのっていませんから。

 

最終回はこちら

 

 

取材、文:田中將介

写真:小野瑞希

編集:中森葉月

参考資料:外務書HP CNN 2017.2.4

 

 

 

 

最終回:鳩山さん、沖縄県知事に立候補されるんですか?

沖縄のキーマン

 

田中:私は2014年の沖縄県知事選挙で、翁長雄志現沖縄県知事を中心に候補者を追いかけていました。彼に対する市民の期待というものを非常に感じました。一方で、ここ数年沖縄に通っていると、翁長知事の本心が読めないという声が沖縄県民や知人のジャーナリストから聞こえてきました。鳩山さんはどのような評価をしていますか?

 

鳩山:私は翁長知事を徹底的に信じるべきだと思います。県民が疑いを持ってしまうと、その影響で翁長知事自身が影響を受けて、目指す方向が変わってしまう可能性があります。信用して応援することが1番なのではないでしょうか。

 

田中:そういった意見は初めて聞きました。

 

鳩山:あとは、辺野古訴訟でも不利になっているように、裁判には限界があるということをお伝えしたいです。それ以外の方法でどう戦うか考えていく必要があります。

アメリカに行って現地で交渉したことは非常に評価しています。

アメリカ人で辺野古しかないと思っている人は少ないですし、柔軟な考えをもっていますからそういった人たちを巻き込んでいくことが大事だと思います。

 

田中:もう1つ思うことは、仲井真前県知事は今では一切名前が出てきませんよね。選挙に落ちたら、「はい、おしまい」なんですか?鳩山さんと仲井真さんは鳩山さんが総理時代会談されているわけですが、どう思われているのか気になります。

 

鳩山:仲井真さんに関しては最近お会いしていないのでわかりませんが、ご高齢ですし、政治の真ん中で発言していくことは厳しいのではないかと思います。

ただ、考え方が違うから嫌いということではなく、お会いして知恵をお貸し頂ける可能性はありますね。今まで考えたことがなかったので、その質問をしてくださってありがとうございます。

 

 

田中:あ、はい、良かったです。(えっ。そんなこと言われると嬉しいんですけど・・・)

では、次に沖縄の未来におけるキーマンは誰だと思われてるのか教えてください。

 

鳩山:キーマンは、田中さんくらいの年齢の沖縄の方たちですね。最近、高校生から大学生くらいの若手の勉強会を始めました。さきほど田中さんがおっしゃったように、若い人たちが社会に対して嫌気がささないように、正面から沖縄と向き合えるような環境をつくりたいと思っています。期待しています。

 

田中:場所は東京ですか?沖縄ですか?

 

鳩山:沖縄ですね。

 

田中:いいですねー。私も参加したいです。東京でもぜひ開催をお願いします。

 

鳩山:ははは(笑)沖縄の女の子は本当に活発ですよ。(笑)

 

田中:そうなんですね(笑)僕も男として頑張らないと。(笑)

ところで、鳩山さん自身は政治の世界に戻ることはないんですか?県知事選挙や市長選に立候補したり・・・。

 

 

鳩山:知事選に出ろって?(笑)沖縄県民がそういう発想になったら非常にありがたいし、嬉しいですよ。もしそれで、沖縄の人が1つになるのであればありがたいですし、考えないわけではないですが、極めて考えにくい話です(笑)

 

田中:楽しみです(笑)

 

鳩山:いやいや、もう70歳ですから・・・。

 

 

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田中:全く話は変わりますが、沖縄が独立する可能性はあるんでしょうか。イギリスとスコットランドのような感じで。

 

鳩山:私は沖縄の人ではないですから沖縄に独立しろというのは失礼です。沖縄の人たちの意志を尊重するべきです。ただ政府はそこまで沖縄の人を追いつめるほど力づくでやってはいけません。しかし、その可能性はありますから、そういった事態に備えて住民投票をどうするのかなど、きちんとした政治教育をしていくことは大事です。いずれにしてもこちらから独立をけしかけるのはいけないと思います。

 

田中:外部の人がとやかく言っても最後は沖縄の人たちの意志ですもんね。ありがとうございます。

最後に本音を申し上げたいんですが、私は、大人たちが盛んに発言している「沖縄への差別意識」について、沖縄戦や琉球処分に関する資料や書籍を読んだこともあるので、差別されてきたというのはわかるのですが、これからどうしたらいいかわからないですし、気がつけば日常生活に戻っています。

若い世代はどう行動し、どう理解していくべきなのでしょうか。

 

鳩山:若い人の発想は本当に広いですから素晴らしいですよ。我々のような年配だと「辺野古、反対だー!」となると、「辺野古に行こうー!」という発想にしかならないわけです。若い人は、いかに広く仲間たちを巻き込むか!というような、直接的ではないやり方で目標に向かって1つになることに長けているように思います。我々は先が短いので、力んで目の前のことにしか目がいきませんが、辺野古に行くだけが問題解決の手段ではありません。いろいろなやり方を発想して自分たちの独特の活動をしていくことが大事だと思います。間違えてもいいんです。まずやってみて徐々に理解していくことが大事なのではないでしょうか。

 

田中:そういってくださるとうれしいです。

 

鳩山:頑張ろう!(笑)

 

田中:はい、頑張ります(笑)

 

 

 

編集後記

沖縄の高校に通う高校生と話す機会があった。テーマが沖縄の米軍基地の話になった途端、高校生2人はためらった様子を見せたあと、口を揃えて「米軍基地の話は家で話しちゃいけない空気になるんです」と言った。沖縄の大学に通う友人は、「米軍基地の話は全くしません。僕は抗議活動をしている人たちをまたやってるのかという目で見てしまう」と言った。

若い頃から、微妙な空気を敏感に感じてきた若者たちは、基地問題を「触れてはいけないもの」と認識して育ってきた。これでは世代が変わっても、日本はアメリカはじめ他の国に対して、Noと言えない国になってしまうのではないか。

沖縄といっても、決して米軍基地だけが問題ではない。家庭の貧困や待機児童問題など、本土と同様、様々な社会問題を抱えている。しかし、沖縄というだけで特別視され、タブーに触れた途端、様々な角度からバッシングがとんでくる。その恐怖によって沖縄の抱える問題を直視できない。

沖縄に対する豊富な知識や経験がなくても発言していいんだよ、発言することをきっかけに学んでいけばいいんだよ、という空気をつくることはできないだろうかと、私は強く思うようになった。若い人にこそ対話をする姿勢を身につけてほしい。それはまぎれもなく私自身に対する言葉でもあった。

沖縄問題は政治に関心がある人だけで盛り上がる話ではいけない。思考や議論にグラデーションを持たせるためにも、様々な観点から沖縄に目を向けてほしい、そのきっかけとして、この記事が1つの意見として届いてくれたら嬉しい。これからも一緒に皆さんと学んでいきたいと思う。

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取材、文:田中將介

写真:小野瑞希

 

 

 

 

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